最近、忙しいんですよ、なんかね。「12月の第3週に大阪に出張できる?」第2週に聞いていたので、心構えはしていましたが、 火曜日に「木金行くよ」と。(一日だけじゃないのか・・・)と思いつつ、金曜日と土曜日の勉強会キャンセルしましたよ。 まあ、頑張れば、金曜日の夜に新幹線に乗れば土曜日の勉強会でれるけど・・・。 なんかやってられないので、金曜日の夜はシレッとTOHOシネマズ梅田でレイトショーのシークエル・トリロジーの完結編「スカイウォーカーの夜明け」を見てきました(あと、土曜日は弟の家に顔出してきました)。 見終わった私の感想としては「スターウォーズの歴史を考えた上でこの話って要る?」でした。次の週の金曜日にアトロクで宇多丸師匠の映画評を聞いてその通りだと思った次第です。 宇多丸師匠は偉いです。核心の部分をネタバレせずに、映画評をなさっていました。
さて、前置きは置いといて、2019年12月27日(金)(ほとんど26日木曜深夜ですが)に、とうとう幻魔大戦 Rebirthが完結しました。 私は、幻魔大戦は「deep トルテックでは未だ完結していない」派なので、実質、これを幻魔大戦サーガの完結と見做します。
「で、オマエ的に幻魔大戦の完結の感想はどうなんだ?」。このブログを読みに来ている皆様はおそらくそうお思いでしょう。 私WO8TimeSpace175ZERO2として言いたいことはいっぱいあります。ただ、パッと考えても執筆に10人日の工数は最低掛かりそうな感じ。もしかするともっと掛かるかもしれません。 全部書いていると、2020年の1月~3月の冬が終わって春になっているかもしれないので、超簡単にコメントを述べたいと思います。
正典の「少年マガジン版幻魔大戦」は、「俺たちの戦いはこれからだ!」的な打ち切りラストでした。 私としては、このような、「俺たちの戦いはこれからだ!」的ラストを予想していましたが、違っていました。
石森章太郎には、結末が対照的な冒険萬画として次の3作品があります。
「幻魔大戦 Rebirth」の最終回はこの上記3作品のいずれかを彷彿とさせる結末を迎えます。どの作品に似ているかはネタバレになるので内緒です。幻魔大戦の完結は難しい作業だったと思います。かなり端折り過ぎな気もしましたが、 主要な論点に真正面から取り組んだ「幻魔大戦 Rebirth」は正真正銘「少年マガジン版 幻魔大戦」の続きであり、 旧作の幻魔大戦全てを統合した上での完結編に間違いありません。
人によっては、旧作の少年マガジン版・SFマガジン版・リュウ版・SFアドベンチャー版・野性時代版・幻魔宇宙版・砲台山/deep/deepトルテックを知らないと楽しめない話の作りは凡庸だという意見はわかります。 ただ、旧作を無視してしまうと、「尻切れトンボに終わったアレは何なんだろう...。」旧作を知っている人はモヤモヤします。 そこで、七月鏡一先生は、東丈が下記のようなイベントや世界を巡り、
「平井和正が書くものならば、ほぼ全肯定」という感じな"平井和正の遺族やウルフガイドットコムの人に仲良くしてもらえること自体にステータスを感じてしまう自称 「選ばれしエリート・ヒライスト」"さん達は2008年5月発表の「幻魔大戦 deep トルテック」を幻魔大戦の実質的な完結篇とし受け入れていました。 しかし、そのような洗脳状態や思考停止状態まで至っていないヒライストや平井和正ファンや幻魔大戦ファンにとっては、トルテックは「本当に幻魔大戦の結末がこれでよいのだろうか?」という物足りない作品でした。
物語には何らかの結末があります。大団円もあれば、バッドエンドもあれば、尻切れトンボもある。 トルテックの結末は尻切れトンボな感じで、「えっ、これで終わりなの?」という感じの大団円で、少し違和感のある結末でした。 しかしながら、平井和正は1983年2月頃刊行の角川文庫版幻魔大戦第20巻のあとがきで次のように述べていました。
十数年来のコミック版の愛読者の皆さんにはまことに申し訳ないが、
事実として本シリーズはコミック版「幻魔大戦」とは、全くかかわりがなくなってしまった。
(中略)
繰り返してお願いしたいが、コミック版「幻魔大戦」についてはもう忘れていただきたい。
あの「幻魔世界」は、袋小路にあり、もはや再起の可能性は持たない。
そのストレートな続編はもはや存在することは決してないからだ。
このあとがきは"平井和正が石森章太郎サイドに対する抗議や怒りを婉曲的に吐露したもの"であったことは次のコラムなどで述べた通りです。
角川文庫版幻魔大戦の謎や伏線はある程度「その日の午後、砲台山で」や「幻魔大戦deep」で回収されましたが(ちなみに上記の角川文庫版幻魔大戦20巻のあとがきで平井和正は「21巻以降相当のハルマゲドンは、現代における救世主東丈が人々に覚醒への道を説いて行く物語」と宣っていましたが、deepで「東丈はあの時失踪していなければ偽救世主になっていた」と内省の弁を述べてます)、 トルテックは全編がほとんどアブダクションシリーズの延長上にある話で、幻魔大戦とはほとんど関係ないストーリーで、真幻魔大戦の謎や伏線は一切回収・消化されていませんでした。 ただ、最後の9ページほどで、平井和正は「そのストレートな続編はもはや存在することは決してない」と書いていた25年前の愚痴を翻して、「deep」にコミック版のラスボス「シグ」を登場させて無理やりトルテックを"コミック版ストレートな続編"に仕立てて、一応、幻魔大戦の続編という事で話を締めて、版元のウルフガイドットコムがケースカバーで「幻魔大戦40年の集大成 巨匠畢竟の最終回答」と謳っていました。
物語にはどこでどう話にキリを付けるかという問題があります。それがストーリー・テラーである"脚本家・演出家"の腕の見せ所です。
有名なところでは「あしたのジョー」のラスト。
ちばてつやが梶原一騎の原作の結末に憤慨し、「燃えたよ……まっ白に……燃えつきた……まっ白な灰に……」のという演出に書き換えました。
【あしたのジョー】最終回「燃えたよ、燃え尽きた、真っ白にな・・・」の後 | 若づくり目指し隊(鹿児島で唯一のストレッチングマスター達のぼやきブログ)
あまり書くとネタバレになるため、そろそろこのコラムを終わらせますが、七月鏡一先生と早瀬マサト先生は、非常にキリの良い所で、うまく幻魔大戦を終わらせたと思います。
平井和正は1967年12月の幻魔大戦の打ち切り後(ちなみに、幻魔大戦の打ち切りの一因には少年マガジン編集部が「あしたのジョー」を載せる紙面を作りたかったという理由もあったようです)、 1968年の秋田書店サンデーコミックの単行本化の際に、カバーの袖書き用に次の解説文を執筆しました。
幻魔大戦は、いわばSFロマンである。 登場するのはすべて超能力者や超常的なちからを持った連中ばかりだ。 大宇宙の終末目ざして戦われるエスパー、幻魔、怪物、怪獣いり乱れての物語を、 われわれ作者は新しい神話をつくるような意気ごみで、構想をねった。
宇宙を破滅させるもの幻魔大王は、実は永劫の時の流れであり、 それに戦いをいどむ地球のエスパー戦団は、他ならぬ人類そのものである。 勝ち目のあるなしは別として、エスパーたちは、どこまでも戦い続けねばならぬ運命をせおっているわけだ。
著者近影では石森章太郎の顔写真が載っていますが、この袖書き解説文は平井和正による文筆です(くどいですが、石森章太郎が書いた文章ではありません)。 後出しジャンケンに思われるかもしれませんが、私が中学生の時、この文章を最初に読んだ時、何となく直感的に石森章太郎の文章っぽくないと思ってはいました。 なぜ直感的に石森章太郎の文章っぽくないと思ったのか?自分なりに分析した理由は次の点です。
さて、唐突ですが、コラムのまとめです。2020年2月12日(水)に幻魔大戦の実質的な完結編『幻魔大戦 Rebirth 第11巻』が発売です。
Amazonに予約するなり、書店に予約注文なりして買いましょう。MUST READ! MUST BUY!です。
幻魔大戦 Rebirth(11): 少年サンデーコミックス〔スペシャル〕
最後にこのコラムしばらくお休みします。理由は、私は忙しく、ブログなんか書いている暇がないからです。 ただ、2020年の2月までになんかコンテンツを追加する予定です。予告すると約束を破っちゃうかもしれないし、しんどいので、何をするのかはこの時点では予告しません。
近々、「幻魔大戦完結勝手にキャンペーン活動」でTwitterで活動復活予定です。 小まめに「#幻魔大戦」のハッシュタグでTwitter検索していただいていると、コンテンツの更新のお知らせツイートがタイムラインに流れてくるのではないかと思います。
あと、裏技を教えてしまいますが、こちらの開発中ブランチのコミット履歴を確認すると、微妙にテスト用のドメインなどで準備中の内容が読めたりします。
開発中のブランチを確認
「https://github.com/hexagonminer/kgw/commits/ブランチ名」をChromeブラウザなどのURL欄に打ち込んで頂ければ、何を実装中かがわかります。
念のため。
それでは、良いお年をお迎えください。
来年も宜しくお願い致します。