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幻魔大戦 Rebirth 第10巻の元ネタ

新規作成日:2019年09月16日

更新日:2019年09月23日

幻魔大戦 Rebirth第10巻の元ネタ

2018年11月29日に七月鏡一先生がTwitterで次のような内容をツィートした。
今日は石森プロで打ち合わせ。世にも不遜で恐ろしい計画に着手することになる。「幻魔大戦を完結させちまおうか?」 ああ恐ろしい。
ただしどんな結末を描いてもパラレルワールドの一つと理解されてしまう。それが幻魔大戦のユニヴァース。
果たして、平井和正/石森章太郎というSF漫画の両巨匠が完結させられなかった"幻魔大戦"を愛弟子のお二人が完結させることが出来るのでしょうか。

第55話 「集結の時Ⅰ」P23の3コマ目と4コマ目、徳間書店 『リュウ』Vol2(1979年夏季号)の表紙カバーが元ネタ

リュウVol2表紙

第55話 「集結の時Ⅰ」P29 想念が虎の姿・形を持つという話の流れ。「背後の虎」や「虎は暗闇より」や池上遼一版スパイダーマンの「虎を飼う女」やアダルト・ウルフガイシリーズ「虎よ!虎よ!」 が元ネタ。エリートの単行本未収録のシーンにも人間の想念が虎の形をとっているというシーンがある。 そもそも、平井和正は当初、ドク・タイガーというキャラを「エリート」の悪役 エルケーニッヒ・ダンガーとアルフレッド・ベスタ―著The Stars My Destination(わが赴くは星の群)(イギリス向けタイトルTiger! Tiger!(虎よ、虎よ!))の主人公ガリーことガリヴァー・フォイルを足して2で割ったキャラクターにしようとしていた節がある。 えっ、根拠は何かって?復刊ドットコムの幻魔大戦《オリジナル完全版》1巻と2巻の巻末に掲載されている資料を読んでみてください。 あと、よく考えると、これって、荒木飛呂彦のジョジョの奇妙な冒険に出てくる幽波紋(スタンド)の先駆けなのではなかろうか?

エリートに登場する虎の想念

第55話 「集結の時Ⅰ」P34 2コマ目。 「幻魔大戦 Rebirth第9巻の元ネタ」のコラムで書いたけど、第51話 「虎の檻Ⅲ」に引き続き、警視庁国際事件課 姫刑事から田代浪子、北里加奈子、石田マリーがカメオ出演。 あと北里加奈子の前に立っているのは、2巻の第9話ソニー・リンクスⅢから登場しているクェーサーの超能力者ヤン。ちなみにヤンの元ネタはリュウ三部作の第3作 「番町惑星」に登場する爆弾作りの名手のバクダンこと伴太郎。 ちなみにどうでもよいことだが、私WO8TimeSpace175ZERO2は最近気づいた。リュウという名前の少年が未来世界(アフター・ハルマゲドン)で冒険する物語(第1作 「リュウの道」)、超過去で冒険する物語(第2作 「原始少年リュウ」)、パラレルワールドで冒険する物語(第3作 「番町惑星」)の3つの物語が連なっているシリーズだから、「リュウ三部作」というのだと。

第56話 「集結の時Ⅱ」P40の4コマ目の元ネタは奇人クラブ

第57話 「集結の時Ⅲ」P75の周囲の人が死骸になる幻視を見るシーン。少年マガジン版幻魔大戦連載第1回の最初の方のシーンで、プリンセス・ルーナが周囲のジェット機搭乗者達が墜落事故により海中に漂う死骸になるのを幻視するシーンのオマージュ。

ついにヴェールを脱ぐ黒幕。この黒幕が小説シリーズで初めて登場するのは、幻魔大戦3次シリーズ「その日の午後、砲台山で」のラストに登場する3歳の東丈。 そして、次に幻魔大戦deepに斉天大聖と名乗って影をちらつかせ、幻魔大戦deep 第8巻の最後の章「宇宙の力」で東丈の姿で登場し、壊滅したニューヨークの世界に東丈を連れて行き、挑発し(幻魔大戦 Rebirth3巻の第18話「嵐の中の邂逅」はこれのオマージュ)、 幻魔大戦deepトルテックで謎の美少年ミスティとして登場するも、東丈の義理の娘・雛崎みちるに幻影城に封印されてしまい、限りなく永久に幻影城から脱出できないはずだったのだが・・・。 果たして、幻魔大戦 Rebirthとは幻魔大戦deepトルテックの続編なのか?それとも、前日譚なのか?

このようにシグが少年マガジンに登場後に、小説で再登場するのは第3次シリーズなのだが、実は、平井和正は第2次シリーズの角川文庫版幻魔大戦でシグをいずれ登場させることを構想していた可能性がある。 ネットを見ていると、ヒライストには【追悼平井和正2】幻魔大戦の僕なりの総括: 大岡俊彦の作品置き場での大岡俊彦氏の評論を支持する人がちょくちょくいる。

完結編で、ついにシャドウが出て来たのだそうだ。

ザンビでもザメディでも幻魔大王でもカフーでもルシファー因子でもなく、
幻魔司政官シグというマンガ版のキャラが。
これを倒すことであっさりと大戦は終結したのだそうだ。

つまり、平井和正にとってのシャドウとは、
結局は袂を分った石森章太郎だったのである。

私は知らなかったのだが、シャドウというのは、敵や悪役という意味の脚本業界の用語みたいだ。
シャドウ: 大岡俊彦の作品置き場
なるほど、平井和正にとって、石森章太郎が敵役というのはなかなか興味深い意見だ。 だが私WO8TimeSpaceZERO2は違う仮説を唱えてみたいと思う。 それは「角川文庫版幻魔大戦は20巻で終了しなければ、平井和正はそのうちシグを角川文庫版幻魔大戦に登場させる構想だった」説というものである。 私はこの説を勝手に「角川幻魔シグ腹案説」と呼ばせて頂く。

角川書店・野性時代で連載していた野性時代版幻魔大戦(※角川文庫刊新幻魔大戦と角川文庫刊真幻魔大戦は関係なく、誤解を避けるために、このコラムではこれより野性時代版と表記致します)を巡る平井和正サイドと石森章太郎サイドの"或る揉め事"について触れたいと思う。 当サイトの「誌面スクラップブック→角川幻魔の印税折版に関する文献」の通り、諸般の事情で野性時代版幻魔大戦は「第一期幻魔大戦完結」という形をとって1983年1月で中断してしまう。 こうなってしまった経緯を簡単に説明する。石森章太郎の某Kマネージャーが野性時代版幻魔大戦の原稿料・印税を「石森章太郎:平井和正=6:4」で分配するように1982年上半期(具体的な月は突き止められませんでした)に要求してきた。 確かに野性時代版幻魔大戦の1-3巻は少年マガジン版幻魔大戦のリライト/ノベライズしたものなので、そこの印税を要求するのはわからなくはないが、4巻以降は平井和正オリジナルのストーリーやキャラクターで回していたため、 最初の内は、平井和正はその要求に取り合わなかった。 しかし、某Kマネージャーは「野球部のシーンやプリンセス・ルーナのシーンは石森章太郎が考えて漫画に描いたものだ」ということの証拠と主張する様々な資料を次々と執拗にFAXで平井和正に送りつけてきた。 「6:4」という分配比率の理由は、某Kマネージャー曰く「石森章太郎の名前の方がビッグネームだから」だったらしい(わかるような・・・ちょっとそれ違うんじゃない?と言いたくなるような・・・)。 平井和正は某Kマネージャーの過干渉に参りつつも、「6:4は流石に無い。5:5ならわかる。」と分配をしぶしぶ承諾。 しかし、平井和正としても、このまま、石森章太郎に野性時代版幻魔大戦の印税の50%を払い続けるのはおかしいと思い、 某Kマネージャーに「どうやったら、払わずに済むのか?」と問うたところ、某Kマネージャーは「作品タイトルに『幻魔大戦』を使わなければよい」と回答したらしい(ホンマかいな?!というやり取りだ)。 そこで、平井和正は石森プロの過干渉を免れた状態で野性時代版幻魔大戦の続きを執筆し続けるために、タイトルを改題することにしたのである (野性時代版幻魔大戦の"メインの個人秘書"や真幻魔大戦の"クェーサーの帝王"はこの某Kマネージャーがモデルという噂がある)。

当時から37年経った今から見ると4巻以降は払う必要が無いのではないかという気がしなくはないが、それは第2次シリーズの小説・幻魔大戦の破綻が今や周知の事実だから、そう思ってしまうだけである。 「振り返ると、野性時代版幻魔大戦の4巻以降は"1-3巻"とは完全に別物の小説だよなぁ。平井和正は3巻で野性時代版幻魔大戦を一旦完結させて、4巻以降はタイトルを変更する方がよかったのにな。。。」と2019年時点に生きている人は考えてしまう。 昔は無かったが、今となっては、主人公を取り巻く背景が変わると、一旦完結させて、タイトルを変更して続きをやるというのは少なくない。 島耕作(部長島耕作、取締役島耕作、常務島耕作、専務島耕作、社長島耕作、ヤング島耕作、係長島耕作、学生島耕作、学生島耕作〜就活編〜、会長島耕作、相談役島耕作)然り、 カバチタレ!(特上カバチ!!、カバチ!!!)然り、グラゼニ(グラゼニ 〜東京ドーム編〜、グラゼニ 〜パ・リーグ編〜)然り。 『学生島耕作〜就活編〜』に至っては、前作の『学生島耕作』で張った伏線の消化をやっていた(タイトルを変える意味があるのだろうか)。 1980年頃当時は野性時代版幻魔大戦が4巻以降に3巻までと違う路線になってしまっても、 「4巻以降のGENKEN編は何かの伏線に違いない。いずれ1-3巻みたいなSFバトルアクション小説に戻ってくるはずだ」と思い、ジリジリ我慢して、4巻以降を買い続けていたファンも結構いたらしい。 当時生きていた人たちは、緑背の幻魔大戦があんな風に破綻するなんて、たぶん思っていなかったのだろう。 おまけに時代の寵児・角川春樹が当時のトレンドだった角川映画にもしようとしていたのである。1982年~1983年あたりは角川書店にとって幻魔大戦はドル箱商品だったのだと思う。 そう考えると、某Kマネージャーの仕掛けた取引の根本にあるものがわからなくはない。 タラレバだが、仮に平井和正サイドと角川春樹サイドが石森章太郎サイドと事を構えて、裁判に持ち込んだとして、たぶん次の論点になると思う。

  1. いずみ・あすか(石森章太郎)共作の少年マガジン版幻魔大戦を野性時代版幻魔大戦にノベライズするにあたり、小説化する内容と原稿料・印税の配分の取り決めを石森章太郎としたのか?
  2. 野性時代版幻魔大戦の4巻以降は、いずみ・あすか(石森章太郎)共作の少年マガジン版幻魔大戦のノベライズか?
  3. 野性時代版幻魔大戦の4巻以降が、いずみ・あすか(石森章太郎)共作の少年マガジン版幻魔大戦のノベライズでなく、平井和正独自の著作物と主張する場合、作品タイトルの「幻魔大戦」は問題が無いのか?
  4. 野性時代版幻魔大戦の18巻以降で、いずみ・あすか(石森章太郎)共作の少年マガジン版幻魔大戦に回帰した内容をノベライズする予定はあるのか?
  5. 角川映画版幻魔大戦の原作は実質いずみ・あすか(石森章太郎)共作の少年マガジン版幻魔大戦ではないのか?
  6. 平井和正独自著作の野性時代版幻魔大戦の映画化をするというのならば、野性時代版幻魔大戦の1-3巻の内容を映画化せずに、野性時代版幻魔大戦の4巻以降の内容を映画化するべきではないのか?
非常に微妙である。角川春樹は総製作費3億円を投じ、1983年3月の東宝東和の劇場を押さえていたのである。 こんなことで裁判をして勝ったところで、角川春樹サイドにはデメリットしかなく何一つメリットが無い。 仮に勝訴したところで、4巻以降は改題することになるだろうし、ゴシップ誌やマニア間の噂でネタにもされるだろうし、イメージダウンで角川映画お得意の宣伝広告の足を引っ張るだけである。 まして、誰がどう見ても、角川映画版幻魔大戦のベースとなっている原作は野性時代版の幻魔大戦ではなく、少年マガジン版幻魔大戦である。 石森プロサイドが角川映画幻魔大戦の配分を要求することのは当然である。

1981年に打ち切られたが、リュウ掲載版幻魔大戦に関して石森章太郎は平井和正に気を使っていたのだろう。 登場人物も内容も少年マガジン版とは別物でやっていた。 リュウ掲載版幻魔大戦髑髏都市(スカルシティ)の章に松平右留平(うるへえ←うるせえの訛り。神経質で人の話を聞かない。最初登場した時の名前は松平右瑠正だった)という平井和正がモデルと思しきキャラクターが登場する。 松平右留平はSF作家なのだが、幻魔大戦のようなSF小説を書こうとしたところ、幻魔に一度命を取られて、幻魔の操り人形として蘇生し、宗教小説をスラスラ執筆しだすという平井和正を揶揄したキャラである。 まだ揉めていない時期だからこそ、こういう揶揄が軽いギャグで出来てしまったのだが、石森章太郎は平井和正の野性時代版幻魔大戦に目を通していたのだろう。 「1979年にお互い別にやっていこうという時に、"新幻魔大戦"の続きである"真幻魔大戦"をやるとは聞いていたが、少年マガジン版の小説化するなんて聞いてないよ。俺の立場はどうなるんだよ。。。。」 みたいなことを内心思い、そこは黙認していたのではないだろうか。

「誌面スクラップブック→角川幻魔の印税折版に関する文献」の通り、 早瀬マサト先生は、「幻魔大戦連載第1回は平井和正のシナリオを使わずに、石ノ森がプロットを書いて漫画にした」と証言している。 また、りんたろうは2018年7月21日のトークイベントで、「石森章太郎との交渉に関してはオープンにできないことがあるのだが・・・」と前置きの上で、 『PLUS MADHOUSE 4 りんたろう』と同様の内容を話された。 オープンにできない事は想像するしかないのだが、おそらく上記のようなことを考えると何があったかは想像できる。 「狼男だよ改竄事件」の時の裁判沙汰にした平井和正だが、少年マガジン版を野性時代版にノベライズしたことに関して自分に非があることは認めたのだと思う。 だから、印税の折半を承諾したのだろう。 しかし、「黙認してたくせに角川映画化が決まったからと言って、今更、言ってくるなよ。」というのは内心あったと思う(タラレバだが、仮にGLAが4巻以降のインディーズ映画を撮ったとしても某Kマネージャーは放置していたと思う)。 平井和正は、野性時代版幻魔大戦第20巻のあとがきで事実として本シリーズはコミック版「幻魔大戦」とは、全くかかわりがなくなってしまった。と 宣言し、「野性時代版の幻魔大戦」とコミック版「幻魔大戦」(少年マガジン版)の関係性を無くすことにしたのだと思う (ただ、2年後の「ハルマゲドンの少女」第Ⅲ部ビッグアップル壊滅の「巡り逢い」という章で、プリンセス・ルナと東三千子のやり取りの中で少年マガジン版のシーンを回想するんだよなあ。。。要は金を(むし)られる事が気に入らないという単なる愚痴だったんだろうな)。

1982年夏以降にコミック版(少年マガジン版)幻魔大戦の関わりを無くして、野性時代版幻魔大戦の続編の構想を変えたという事は、 裏を返して考えてみると、平井和正はいずれコミック版のストーリーに回帰してシグを出そうと内心構想を練っていた可能性が考えられないだろうか? そもそもシグというキャラクターを考えたのは平井和正のはずであり、 幻魔大戦第3次シリーズに登場するシグが石森章太郎の投影で、石森章太郎が主人公・東丈(=平井和正の投影)のシャドウ(敵役)という仮説はなんか変な気がする。 そこで、私WO8TimeSpace175ZERO2は「角川幻魔シグ腹案説」を思いついた。 2009年4月に秋田書店の秋田文庫として発刊された少年マガジン版幻魔大戦のあとがきで 平井和正は次のように書いている。

最新の三千五百枚の「幻魔大戦 deep トルテック」は奇しくも石森章太郎さんとのスタートラインに始まった『最初のコミック版「幻魔大戦」』に帰結を与えることになった。 地球大戦となった恐るべき敵幻魔シグを東丈が彼の弟子にして娘であるみちるによって退けることに成功したからである。
しかし幻魔大戦はまだまだ終わりを告げる気配もない。

野性時代版幻魔大戦の当初の目的は、少年マガジン版幻魔大戦を小説にリライトする事であり、新興宗教団体活動小説に脱線しつつも、平井和正は"小説にシグを登場させるアイディア"を果たしたいと思っていたのではないだろうか。 しかし、石森プロの過干渉やスランプや新興宗教に対する失望から、それが叶わなくなってしまったのではなかろうか。 雛崎みちるのシグ封印によって与えられたという『最初のコミック版「幻魔大戦」』への帰結とは、晩年の平井和正にとって野性時代版幻魔大戦の帰結でもあったのかもしれない。 平井和正は野性時代版幻魔大戦の執筆中に登場させそびれたシグを、幻魔大戦第3次シリーズのラスボスとして登場させ、 deepトルテックのクライマックスで雛崎みちる(東丈の弟子にして義理の娘)にシグを幻影城に封印させて物語を閉じることで、 『最初のコミック版「幻魔大戦」』との関りの修復を自分自身の文筆の中で明確に宣言し、 次回作で、コミック版「幻魔大戦」の続編として、更に新しい"幻魔大戦"を執筆できる可能性を開いたのだ。 平井和正の存命中にそれは叶わなかったが、愛弟子がその願いを引継ぎ実現したものが「幻魔大戦 Rebirth」ではないのだろうか。

第57話 「集結の時Ⅲ」P94 4コマ目の「光のネットワーク」とは野性時代版幻魔大戦第12巻に登場するキーワード。 高次元の宇宙意識へと届いた祈りによってもたらされた宇宙エネルギーが、祈る人々の心と心の結びつきによって、さらに増幅される現象。 あるいは、そのように強く心を結びあった状態。
さらにこれの元ネタが実はありそうな気はするが、私はGLAの宗教書や幸福の科学の宗教書を読まないため、その辺は不明である。

第57話 「集結の時Ⅲ」P98-99の見開きは、石森章太郎萬画に登場する宇宙船やUFOがカメオ出演しているらしい。 残念ながら、私WO8TimeSpaceZERO2は一部しかわからなかった。
P98左端の上から2番目: 「ザ・スターボウ」の宇宙船
P98左端の上から3番目: 「宇宙からのメッセージ」の帆船型宇宙船 リアべ号(※映画版での帆船型宇宙船の名前はエメラリーダ号だが、石森章太郎のコミカライズ版ではリアべ号)
P99の上の方の白鯨:「サイボーグ009 海底ピラミッド編」に登場するサン・ジェルマン伯爵の白鯨号
私の精進不足のため、他の宇宙船の元ネタはわかりませんでした。ヒマになったら、石森章太郎(石ノ森章太郎)先生の作品を読み返すなり、未読の作品を読んでわかり次第、更新して参ります。

第58話 黒き竜Ⅰ P101-105 幻魔大王が天変地異を起こして、ロシアのスボロワ市を壊滅させてしまうシーン。角川映画版幻魔大戦で、幻魔大王が天変地異を起こして、ニューヨークや東京を壊滅させるシーンのオマージュ(じゃないかも。く、苦しい・・・) ちなみに、少年マガジン版でも野性時代版でもベガとルーナがニューヨークに到着した時点で、ニューヨークは被災していないが、 角川映画版では、ソニー・リンクス登場の前に、ニューヨークが災害で壊滅状態になる。これには理由がある。 ニューヨークのモブシーンを書いていたら、アニメ製作の現場やスケジュールが破綻するため、モブを書かずに済むように、そういう脚本にしたらしい。 ザメディが肉ボールではなく、エネルギーボールに変身するのもそういう理由らしい。非常に職人のエゴが出てしまっていて、内部的な事情だと思う。

第58話 黒き竜Ⅰ P112以降に登場するゾンビ―。「ハルマゲドンの少女」のビッグアップル壊滅に出てくるゾンビ―のオマージュ。あと、幻魔経済入門の会長さんが名前を名乗る!

第59話 黒き竜Ⅱ。P157-P160の遊園地/メリーゴーラウンドのシーン。角川アニメ映画版幻魔大戦のオマージュ(く、苦しい・・・関係ないかも)。 ところで、りんたろうとしては、角川アニメ映画版幻魔大戦の遊園地のシーンで、角川文庫版幻魔大戦に描かれていた東三千子と東丈の関係を描いているらしい(たぶん、2巻の「超戦士」に準拠しているのだと思うけど)。 だから、角川アニメ版幻魔大戦の原作は少年マガジン版幻魔大戦ではなく、平井和正著の角川文庫版幻魔大戦だと言い切れるらしい(それも苦しい・・・)。

第60話 黒き竜Ⅲ。二つの「ベアトリスの釵」について。ミズ・クローノの方は、「これを託したムーンライトという女性」と発言から考えて、真幻魔大戦のムーンライトが保有していた「ベアトリスの釵」だと考えられる。 一方、東丈の方は、杉村優里の娘・杉村遊奈から譲られたものであるという事を考えると、元々は"生田寓の蘭"が保有していた「ベアトリスの釵」だと考えられる。 蘭から杉村優里に譲られ、優里は時の関門を抜けて飛鳥時代にタイムトラベルし、更に鬼の岩場で役小角の東丈への覚醒に立会い、それが巡り巡ってRebirthの東丈に託されたのではないだろうか。

第60話 黒き竜Ⅲ。P173。手前からミズ・クローノ。杉村由佳。杉村遊奈。お時(ムーンライト)。杉村優里。その後ろに続く8人以上の女性達はわかりません。 あと、もしかすると、P173は次のイラストのオマージュかもしれません。

時を継ぐ者たち

「かしゆかです」

「あ~ちゃんです」

「のっちです。」

『三人合わせて、Perfumeです!!!』


というのは、単なるボケです、すみません。これは『SFアドベンチャー増刊 平井和正の幻魔宇宙Ⅱ』の特別折込み付録ポスターとして描かれた「時を継ぐ者たち」という生賴範義画伯のイラスト。

この絵に描かれている3人の女性は誰だろうと疑問に思い、徳間書店で平井和正や生賴範義をご担当されていた編集者さんに「この絵を生賴範義さんに依頼されるときに、誰を描いて欲しいという指定はされましたか?」という質問をしたことがあります。 答えは

「特に何を描いて欲しいという細かい指定はしていない。」

「誰が描かれているかわかりますか?」

「わからん!」

徳間の編集者さんやご子息のオーライ・タローさんがご存知ない以上、もはや天国の生賴範義画伯にしかわからないという事です。 とはいえ、誰が描かれているかは諸説あります。
七月鏡一先生説 昔からこの絵に描かれてるのは誰なんだろう?と思ってますが、上から「東三千子」「杉村優里」「ソル王女」かなあ。
ソル王女(野性時代版幻魔大戦のヒロイン井沢郁江の前世)という説ですが、ソル王女は金髪のはずなので、違うような気がします。 東三千子の可能性もありますが、微妙です(というか、七月先生にはお時と東三千子の関係の伏せられたカードをめくって頂きたい)。
一番妥当な説は、夏が好き師匠
上から「ムーンライト(お時)」「杉村優里」「クロノス」かなあ。
ムーンライトは「新幻魔大戦」「真幻魔大戦(第一部)」の初代・時を超える者。
杉村優里は「真幻魔大戦(第二部)」の時を継ぐ者。
クロノスは「真幻魔大戦(第三部)」「ハルマゲドンの少女」の時を継ぐ者。
この論争にはウルフガイ・ドットコム氏も思うところがあるようです。
一番下の人、黄金の少女のイラストのキム・アラーヤに顔が似ています。ハルマゲドンの少女と黄金の少女がごっちゃになったとか? 1983年8月発売のムックの付録なので、黄金の少女のキム・アラーヤな訳はないのですが、キム・アラーヤは生賴範義画伯が「時を継ぐ者たち」の一番下の少女の顔を使い回したのではないかという意味でしょうか。 要は少女顔という事だと思います。確かに「ハルマゲドンの少女」第1部に登場するクロノスが14,5歳あたりの少女だから、「のっち」がクロノスだという説は説得力があります(「のっち」のドレスが蝶みたいだからが「お蝶」では?とヒライストライブラリーの人が仰っていたが流石にそれは違うと思う)。 あと、忘れてはいけないのが、杉村優里同様に赤い蝶の痣が左肩の内側にある"生田寓の蘭"。 「平井和正の幻魔宇宙Ⅱ」の幻魔世界メイン・キャラクター・クローズアップというコーナーのP36「"時を継ぐ者"と"待つ女"」という章で、 彼女は雪野、おみち、杉村由紀のような"待つ女"であり、その役割は、「救世主の男性をひらすら待ち続け、その男性原理と交わって、時を継ぐ者を生み出す、女性原理に他ならない。」と書かれている。 そもそも、蘭がベアトリスの釵を所有していたこと自体が謎らしい。っていうか、七月鏡一先生には"生田寓の蘭"とは何者なのか?風間亜土とは何者なのか?ムーンライトどどういう関係にあるのか?という伏せられたカードをめくって頂きたい。

第60話 黒き竜Ⅲ。P190 1コマ目「東丈が"幻魔"を呼び寄せた」。もしかして、香川千波の世界で、フロイがベガをプリンセス・ルーナの元に送らなかったのは、「東丈が存在しなかったから」ということだろうか。

第60話 黒き竜Ⅲ。P190 1コマ目と4コマ目。週刊少年サンデー版仮面ライダーBlack「PART19捏巴爾邪命外道」に出てくるサル怪人。 ちなみに、どうでもよいが、「P190に登場する幻魔は猿・豚・河童の日本的西遊記コンビではなかろうか」という事がサンデーうぇぶりの応援コメント欄に書かれていた。 本場中国の沙悟浄は河童で無く、砂漠に住む妖仙である。日本人が知らない西遊記「沙悟浄」の本当のキャラ設定




以上です。